君がいなくなって数週間。 私の目の前には、無機質な灰色の石。 この下に君が眠っている。 そっと手を触れるとひやりと冷たくて、 記憶の中にある君の温もりを奪われた。 そんな錯覚を振り切るように、黙って手を合わせる。 溢れ出す無数の言葉。 心の中で呟いても、何も返ってこない。 こんなに伝えたいことがあったのに、 どうして君がいるときに伝えられなかったんだろう。 もう遅いのに。 君に伝えることはできないのに。 それでも言葉は溢れ出る。 誰のために? 自己満足? 虚空に問いかけても、風の音すら聞こえなかった。 08/01/27 戻る |