臆病者の恋心。小さな嘘。


「貴方に迷惑をかけたくないの。」
そう言って笑ってみせる。
照れたように、呆れたように私を見る、
そんな貴方の笑顔が眩しい。

だけどね、これは建前で。
本当は、迷惑をかけて嫌われるのが怖いの。
もしも貴方に嫌われたら、私は何をするか分からないもの。
冷たい眼差しを、拒む手を、遠ざかる心を。
受け入れられずに、貴方を傷つけてしまうかもしれない。

貴方がそれくらいで嫌うような人だなんて思いたくない。
でも、
私は臆病者だから。

貴方についた、小さな嘘。
だけど、貴方を好きなのは嘘じゃない。
だからお願い。笑って許して?



キリリクとして書きました。「明るくも暗くもない詩」というリクでした。
05/01/05

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