029 渇望
例えば夜空に輝く月のように
遥か遠いものだと分かっていれば
それを手に入れようなんて思わなかったのに
ただ見ているだけで幸せだったのに
もう少し手を伸ばせば届きそうだから
(――だけど決して届かないのに)
こんなにも苦しいのです
伸ばした手は空を切るばかりで
この手には何も残らなくて
それでも 手を下ろすことはできない
07/03/13
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