044 居場所
頬の不自然な冷たさに 意識がゆっくりと浮上する
身体を起こし ひりりと痛む喉を緩く絞める
目が白い息を捕らえる頃 やっと意識が私のものになる
のそりと動き 毛布を羽織ってベッドから這い出す
闇と静寂が支配する空間に
ひたひたと足音が響く
部屋中どこを探してもあなたの姿はなくて
『あなたはもう どこにもいない』
分かっているのに どうしても探してしまう
私のいる場所は あなたの隣
そう 決めたのに
現し世にも 夢の中でさえも
どこにもあなたがいないのなら
私の居場所は どこにあるの?
06/12/29
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