045 病
私は、その痛みにつける名前を知らない
どうしてだろう
あの人といるとおかしくなるの
きっとこれは病気なんだ
いつかこの胸の痛みが全身に広がって
私は呼吸すらできなくなるの
怖かった
すごく怖かった
原因がなんだかわからないから
余計に怖かったの
たったひとつ言えることは
あの人といるときにだけ
突き刺すような
体がねじ切れそうな
そんな痛みに蝕まれるということ
だから、こうするしかなかったの
冷たくなった貴方を見て湧き上がるのは
不確定要素を排除した満足感
そして止まらない涙
ああ、これが「恋」だったの?
今となってはもう遅いけれど
私はその痛みにつける名前を、知らなかった
09/02/16
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